KATOU ICHIKOU

■ダイアリー/エッセイ/小説などのオリジナルコンテンツを掲載

を待ちながら

アンネの日記が創作ではないと知ったのは、文庫本のあとがきまでいった時だったような気がします。僕の記憶の中ではなぜか、アンネの日記と赤毛のアンがだぶっています。 それらを読んだのはもう昔の話で、正直内容もよく覚えていません。今もう一度比べて読…

月がでかいから、どっか遠くでサイレンが鳴っている。

月がでかい。どっか遠くでサイレンが鳴っている。 月がでかいから、どっか遠くでサイレンが鳴っている。月がでかい夜はみんな何かやらかすから、ウーウーウーウーとサイレンが、お前やばいぞと警告する。 ウーウーウーウーと鳴り響くサイレンが、お前やばい…

UFO

朝、駅までのいつも通りの道のりをいつも通りに歩いていると、空からすごい速さでUFOが現れて、目の前を歩いている人をさらって、またすごい速さで飛んで行った。 私はびっくりして、腰をぬかして慌てふためくべきだったのだけど、その時私はちょうどぼーっ…

防災の日と震災とベローチェ

ラジオが、今日は防災の日だと言っていた。「避難場所と避難所とでは、違うんです。避難場所は災害から緊急かつ一時的に避難する場所、避難所は災害により住居を確保することが困難になってしまった住民のためにその場所を提供する施設のことです。災害があ…

夜寝る時、おなかの上に黄土色のフォックスが寝そべっている想像をしてみる

絵本を書きました。 「夜寝る時、おなかの上に黄土色のフォックスが寝そべっている想像をしてみる」 素材:鉛筆、色鉛筆 ©︎ 2017 KATOU ICHIKOU

ブラウンショートボブのホットケーキみたいな女のタトゥー

電車のドアの脇の、ドアの戸袋にひたいがついてしまうくらいの向きと位置で、女が、電車のつり革につかまる僕の少しだけ斜め前で、立っている。立っている女の、首の真後ろ、ツーブロックに刈り上げられた、ブラウンショートボブの襟足の直下から、ぽっちゃ…

喫茶店。チーズケーキ。ハーフパンツ。

喫茶店の一番奥の、四人掛けのテーブル席を陣取って、退屈を体全体で表現している。この店に合わせたようなペラペラのワンピースに、明るすぎる茶色い髪の毛。古着のブーツ。頬杖の上の大きな目を半開きにして、同じことを百年も毎日繰り返しているみたいに…

ジャコメッティ

ジャコメッティはつくしみたいなものを作った。それは人だけど、僕にはつくしみたいに見えたし、つくしみたいなものにしか見えなかった。つくしみたいなもので素晴らしいのか、つくしみたいなものでつまらないのかということはその時は考えなかった。今どっ…

金曜の朝にあんたそれなに吸ってんの?とおばちゃんが問う

赤坂見附の駅を大通り側に出て右へ進むと、ガラス壁で囲まれた喫煙所がある。朝電車から降りて会社に行く前と、夜会社が終わって電車に乗る前に、一本ずつ【タバコ】を吸うのが、日課というような大したものではないけど、なんとなく習慣になっていて、その…

今朝通勤途中の歩道橋ですれ違った女の子はやっぱり順子だということ

僕の通うオフィスビルの裏口あたりの半地下にある喫煙室は四畳間くらいしかなくて、この狭い部屋に一階から九階までの大小様々な会社の喫煙者が集まる。最近は喫煙者がだいぶ少なくなったけど、それでもお昼休みの最後の十分くらいの時間には十人くらいが肩…

色弱について

鎌倉のゴルフ場の駐車場で、ゴルフカートにラッピングをしていた。グラフィックをラッピング専用メディアにインクジェット出力して、貼り職人がカートのバンパーや屋根に貼っていく。ヒートガンと呼ばれるドライヤーで温めて、カッターを自由自在に操りなが…

東京

仙台から東京に引っ越した。 いつのまにか三十後半に入ってしまったので、夢と希望ある東京はどっかに行ってしまった。人からは上京するのかなんて言われたけど、上京という言葉はそんなキラキラした東京が見えている人のための、ジューシーで、ドリーミーで…

ロボットダンス

頭の中で、ロボットダンスをしている人のイメージが離れない。 イメージだから超うまい。 人間離れもいいとこで、まるでロボットだと言うか、もうまるっきりロボットだ。 ダンスにはとても見えない。 ロボットダンスだと知らなければ、ロボットだと思っただ…

男の子の名前はみんなパトリックっていうの

ジャン=リュック・ゴダールの初期の短編に「男の子の名前はみんなパトリックっていうの」という映画があるらしい.見てはいないけど,もはや見る必要がないほどに,この題名は言葉として素晴らしい.言葉が一つの作品として成り立っている.完結している.…